光設計の「呼吸する住まい」定番素材(その9)
■基礎パッキン
床下の通風が悪いと湿気がたまりやすくなり、シロアリにとって生活しやすい環境になります。シロアリの害を防ぐには,シロアリを駆除剤で殺したり寄り付かなくすることが多く行われていましたが、シロアリを殺すほどの薬品は、人間の体にも害があり、床下に散布されたシロアリ駆除の薬品が長い間、すこしずつ床下から家の中に揮発してきて、知らないうちに住んでいる人の健康を害していたということが分ってきました。
私達の設計では、床下の通風をできるだけ確保して、床下を乾燥させ、シロアリの住み難い環境にすることをいつも考えています。
具体的には、ベタ基礎として地面からの湿気を防ぎ、基礎と土台の間に基礎パッキンという緩衝材を入れ、基礎と土台の約2cmの隙間から風がはいるように計画しています。基礎の高さも地面からできるだけ高くという意味で最低でも40cmはとるようにしています。その上に12cmの土台が乗りますから、1階の床面の高さは地面から60cmぐらいになります。
和室のところには畳の下地を一般的に使われている合板にしないで、昔のように杉の荒板ばりとして荒板の隙間からの通風を確保しています。荒板の上に調湿の目的で炭シートを敷いてその上に畳を敷きます。無農薬の防蟻処理として、しろありの嫌がるヒバ油と炭の抽出液の木酢液からできている
エコロジーライフ花のナチュレ防虫塗料を現場で塗ります。土台を敷いてしまうと下の面が塗れなくなってしまいますので、上棟のときに土台を並べる前に下面だけは先に塗っておきます。このナチュレ防虫塗料も効力のある期間は5年くらいが限度だろうとおもいますので、基本的には、できるだけ床下を乾燥させるということに配慮するようにしています。基礎パッキンのメーカーのパンフレットには基礎パッキンを使えば従来の基礎立ち上がり部の換気開口は不要のように書いてあります。基礎パッキンを使い初めのころは、私達の設計でもそのようにしていたのですが、最近の設計では、念のために基礎の換気口も併用するようにしています。
基礎パッキンも最近はいろいろなメーカーから.素材も例えば硬質プラスチックやステンレスのものなど数種類が市販されています。土台の下に敷くものですから、まず耐久性、次に通風性を考慮して使用する製品を決めるようにします。
光設計では5年ほど前からは、ライコジャパンの天然ゴム基礎パッキンを使うことが多くなっています。天然ゴムの弾力を利用して多少免震の効果も期待している(個人的に期待しているだけですが)のと、天然ゴムなので廃棄時に環境に不可を与えない点、土台の木、基礎のコンクリートとの相性がいいという点も考慮してのことです。この天然ゴム基礎パッキンは線路沿いや国道沿いなど振動が問題になるような住まいで使うと防振の効果がありますので、振動が軽減されるというデータがあります。
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右の写真は天然ゴムの基礎パッキンを並べ始めたところです。約90cm間隔で基礎パッキンを土台の下に入れます。基礎コンクリートにセットすると、ゴムの摩擦で動かない(仮止めが不要)ので、施工もとてもやりやすいようです。コンクリートの基礎の巾は15cmで、土台の12cmよりも一回り大きくしています。
ナチュレ防虫塗料です。現場で土台敷きのときに土台の下側に先に塗ります。
工事中の床下の写真です。基礎コンクリートと土台の間から、向こうの木が見えます。
だいたいこのくらいの隙間が建物全周で開くことになります。そと側はこれから通気金物を取り付けますので、このように向こうの景色が見えたままで仕上がる訳ではありません。

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ご無沙汰致しております。早稲田の専門のマッハです。(毎年お年賀状ありがとうございます)
今朝、目白まで通勤の為の戸田公園駅までのたつた15分から20分ですがJ-WAVEからミニ避難所住宅…の興味深いおはなしが…
なんと‼️くりはらさーん‼️
Twitterで直ぐに画像で確認!感動致しました。懐かしいお姿拝見致しました!偶然の出来事ですがどうしてもご挨拶させていただきたくて書き込みお許しくださいませ -
(kokyuBloguserより[11/25])
谷田さん、ありがとうございます。
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(雨のみちより[11/25])
この一枚目の栗原さんのお写真いいですね
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(kokyuBloguserより[07/29])
谷田さん、ありがとうございます。
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(雨のみちより[07/29])
景色がとても気持ちよさそうですね
完成が楽しみですね
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